分断の象徴とされる板門店で30日、約60年前に朝鮮戦争を戦った米朝の首脳が初めて対話した。物々しい警備のなか、歴史的な瞬間は生中継され、世界に発信された。

 韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上にある板門店。30日午後3時44分、韓国側施設「自由の家」を出たトランプ米大統領が、北朝鮮の方向にゆっくりと歩き出した。

 板門店は、1953年に米国と中朝が朝鮮戦争の休戦協定を結んだ場所だ。現在も北朝鮮と米韓の兵士がにらみ合う最前線といえる。この日は米朝の警護官らも加わり、周囲は物々しい雰囲気に包まれた。

 軍事境界線に近づいたトランプ氏に、北朝鮮側施設「板門閣」から、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が歩いて近づいてきた。午後3時45分、両首脳は軍事境界線を挟んで握手。トランプ氏は、左手で正恩氏の右腕を2回軽くたたき、笑顔を見せた。

トランプ氏「この線を越えてほしいですか」正恩氏「そうしていただければ…」